2型糖尿病の合併症で起こりやすい腎症。
腎臓病が進行した場合の最後の治療法は人工透析治療です。
人工透析は1週間に3度、毎回半日かけて行わねばならない大変な治療です。
全国で人工透析治療を受けている人の数は、2003年のデータで約24万人。
そのなかで、糖尿病に起因する糖尿病性腎症患者は7万人近くで、全体の30%近くを占めています。

 

糸球体なぜ、糖尿病が腎症に関係してくるのでしょうか。
それは血管への影響に原因があります。
腎臓には糸球体という細小血管がループ状に形成された
血液を濾過する装置が1つの肝臓に100万個近く存在しています。
糸球体へ血液を送り込む輸入細動脈、濾過された血液を外に送り出す輸出細動脈は、
糖尿病によって血糖や血圧が高くなると異常をきたすことが多く、濾過機能を低下させます。

 

また、糸球体基底膜も厚くなり、血液の濾過が正常に行えなくなります。
さらには、ホルモンや成長因子の異常により、糸球体内の細小血管間にある
メサンギウム細胞の機能も低下します。
最近では、高血糖によって糸球体の足突起にある、老廃物の濾し方を調節するタンパクが
うまく作れなくなったり、細胞が死んだ隙間からタンパク質が漏れ出すこともわかってきています。
糖尿病は、腎臓にさまざまな障害を及ぼす恐ろしい要因なのです。

 

腎症の症状で特徴的なのはタンパク尿です。
腎症前期段階では尿からタンパク質は検出されませんが、それでも腎機能障害は進行しています。
早期腎症の第2期に入ると微量のアルブミン(タンパク質の一種)が尿に含まれるようになり、
腎症はかなり進行していることになります。
“微量”という言葉で安心せずに、すぐに適切な治療に入らなければなりません。

 

早期腎症からさらに進行したものが顕性腎症です。
1日に1g以上のタンパク質が尿から検出される頃になると第3期-B(顕性腎症後期)と呼ばれます。
3.5gを超える頃には、体のむくみが見られるようになり、貧血も頻繁に起こります。
ネフローゼ症候群と呼ばれるこうした症状は、腎症が悪化しているシグナルともいえるものです。
それを過ぎると末期腎症である腎不全期、そして尿毒症へと進行していきます。

 

遺伝的なものもありますが、最終的に糖尿病患者の20~30%が、腎症にかかるといわれています。
高血圧は腎機能低下を招き、それがさらに高血圧を生むという悪循環に陥るため、
心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性も高くなります。

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